お休み中に色々なウイスキーなど５種入荷しました

今回は休業中に仕入れたウイスキーなどをまとめてご紹介いたします。

（厚岸ウイスキーに関しては別記事をご参照下さい）

先ずはグレンモーレンジィより昨年秋に限定で発売されたケイクを量り売りで少量入手しました（弟子屈のかくふじ商店様、有難うございました！）ので、味見程度の少数限定になりますがご提供できます。

その他、今春リリースされましたIchiro’s Malt＆Grain LIMITED EDITION、台湾のKAVALAN キングカーコンダクター、珍しいスウェーデン産のモルトウイスキーと、アイリッシュのポチーン（ウイスキーの熟成前の原酒）などを入荷しました。

●GLENMORANGIE CAKE （グレンモーレンジィ　ケイク）

熟成：トカイ（貴腐ワイン）樽にて熟成

度数：４６％

リリース元情報：濃厚な黄金色の外観に反して、ピュアで鮮やかな印象の甘みと幾層にも重なる蜂蜜やホワイトチョコレート、フルーツ、軽快なミントの複雑な味わい

店主私見：

同じ貴腐ワインのソーテルヌカスクフィニッシュであるネクタドール同様の白ワイン様の香りを感じるものの、味は全く違いハチミツやホワイトチョコレートの様な濃厚な甘さを感じます。

加水すると濃厚な甘さより貴腐ワインのニュアンスが強く感じられ、ネクタドールの姉妹だなと実感できるので変化が楽しめます。

●Ichiro’ｓ Malt＆Grain LIMITED EDITION

度数：４８％

リリース元情報：秩父原酒をキーモルトにして国産のモルトとグレーン原酒のみを選びバランスよくブレンドしました。

黒糖のような重みのある甘さに溶け込む爽やかな酸味と、全体をまとめる仄かなピート香。

時間と共に円やかさを増す樽香は、余韻となって口の中でいつまでも心地よく続きます。

店主私見：

全体的にブレンデッドとしては重めな酒質の中にピートが感じられ、グレーン原酒が良いアクセントになっています。

酸味やスパイシーの中にも後から柑橘を感じ、以前からリリースされていたブレンデッド（白いラベル）に比べ度数はそれほど変わらないものの味の濃さがしっかりしている事もあり、様々な味を余韻まで楽しめます。

加水しても悪くはありませんが、劇的な変化は感じ難いです。

●KAVALAN キングカーコンダクター

度数：４６％

カテゴリー：シングルモルト

リリース元情報：きめ細かくコクのある風味。パパイヤ、バナナ、青リンゴなどのフルーツの香りが鮮やかな味わいを醸し出し、心地よいフローラルとナツメがやさしく香ります。さっぱりとした新鮮果実の風味。バナナの甘みと爽やかな香り。微かな渋みとバランスのいい甘さで豊潤な口当たり。

店主私見：

台湾のカバランはソリストシリーズが高い評価を得ていますが、個人的にはこのキングカーコンダクターが非常にバランス良いと思います。

かつシェリー樽やワイン樽の様なニュアンスをはじめ様々なコンテンツを感じやすい上に加水してもロックにしてもえぐみが出ず味わえるので、特にカバランを初めて飲まれる方には一番おススメです。

●HIGH COAST （ハイコースト　エルヴ）

原料：ノンピート麦芽

熟成：1ｓｔフィルバーボンカスクにて６年間にて熟成

度数：４６％

リリース元情報：

樽由来のバニラ香に加え、洋ナシのフルーティーな香りが後に続きます。

店主私見：

今回は蒸留所の個性を知るため、ノンピート・バーボンカスク熟成のボトルを選びました。

香りは溶剤系に麦芽の香りですが、不快感はありません。

味はバニラの中にもウッディや柑橘・フルーツを感じさせ、雑味はありません。

加水すると麦芽の旨味が前面に出てきます。

ハイコースト蒸留所はアドバイザーや所長がスコッチの蒸留所にも務めた経験を持つ事もあり、作り方はスコッチに準じておりますが一方ではジャパニーズウイスキーにもインスパイアされ、クリーンで澄んだ麦汁を使用している様です。

●GLENDALOUGH　POITIN（グレンダロッホ ポチーン）

こちらはアイリッシュウイスキー版ニューメイクとなるポチーンです。

ウイスキー文化研究所の土屋守氏によるとアイルランドでは今でもポチーンを愛飲する文化があるらしく、アイリッシュウイスキーを語る上でポチーンの存在も外せないとの事で当店でも仕入れてみました。

原料：大麦麦芽

度数：５５％

店主私見：

香り・味ともにいわゆる麦芽感たっぷりのニューメイクですが、３回蒸留のせいか雑味も無くスッキリと仕上がっております。

加水すると麦芽の甘みが強くなってきます。

かつてポチーンはジャガイモなども原料に使用されたらしいのですが、今回の物は大麦麦芽のみで現代的な造りとなっております。

ただ、アイリッシュウイスキーと言えば大麦麦芽以外の穀物も使用したポットスチルウイスキーも有名なので、機会があったらそちらのポチーンも試してみたいです。

諸説ありますがウイスキーの起源はアイルランドと言う説もあり、そうするとポチーンはすべてのウイスキーの起源となるスピリッツであり、ニューメイクマニアの店主としては今後も引き続き追いかけていきたいと思います。